南部鉄瓶紅蓮堂
【鉄瓶の魅力】
蓄熱性に優れ、温度が下がりにくく、鉄分が取れる。
内側の鉄がむき出しになっており、お湯を沸かすと鉄分が溶けだします。そのため毎日鉄瓶を使うことで自然と鉄分が補われます。鉄瓶でいれたお湯はやわらかく、まろみのある味わいに。鉄瓶が水道水のカルキなどの雑味を取りのぞき、美味しいお湯をつくってくれるのです。使い込むことによってサビが出ますが、水道水のカルキなどを鉄瓶が吸収するためですので、どうぞご安心くださいませ。
南部鉄器らしい佇まいを、日常に。
岩手県盛岡市にある「南部鉄瓶紅蓮堂」の鉄瓶「布団形環文」1.0Lの赤です。
アクセントに美しい環文様を施しております。環文様はシンプルな上品さをほどよく引き出します。伝統の焼型製法にて一点ずつ手作りで製造しています。華美な模様を施さないシンプルな肌は、和風洋風問わず様々な生活様式に取り入れやすく、蓋のツマミや環付といった表情が出やすい部分もシンプルかつ、1~2人で使いやすい機能性を重視した作りになっています。
内側の鉄がむき出しになっているため、お湯を沸かすと鉄分が溶けだします。そのため、鉄瓶を使って沸かしたお湯に含まれる鉄分の量は、ステンレスのヤカンと比べると数十倍。毎日の使用で、自然と鉄分が補われます。
鉄瓶が雑味を取りのぞき、美味しいお湯をつくります。
職人について
葛巻元(くずまきげん)さん。2005年〜2015年まで盛岡市の『虎山工房』に務め、三代目虎山・前田知行に師事。2015年に独立し、鉄瓶工房「紅蓮堂(ぐれんどう)」をかまえます。2016年から2019年まで、4回に渡って「日本民藝館展」に入選・奨励賞を受賞。これからの活躍が期待される工房です。
技法・素材について
鉄器・鉄瓶などの「鋳物(いもの)」は金属を溶かし、型に入れて固めて形にしていきます。その工程は大きく分けて「型作り」「金属の流し込み(鋳込み・いこみ)」「仕上げ」の3つです。中子(なかご)と呼ばれる土でできた各パーツの型は、粘土のようにもろくできており、金属を流し始める下準備として作られ、鉄が固まったあとは崩して捨ててしまいます。この中子は鉄瓶を作るたびに1個ずつ犠牲になってしまうパーツですが、形に歪みがあると、完成する鉄瓶の形にも歪みが出るため、中子作りには緻密な作業が必要となります。
▼工房取材記
使う人のために黒子に徹する、鉄瓶職人のはなし。
岩手県盛岡市の川沿いに構える、紅蓮堂の工房をスタッフが訪ねました。
https://tohokuru.jp/blogs/tohoku_column/gurendo
●鉄瓶の使い方
〈普段からお使いの場合〉
①水を入れます。水道水で構いません。
②お湯をわかします。蓋をしめていると、鉉部分はそこまで高温にはなりませんが、蓋のつまみは特に高温になりやすいため火傷にご注意ください。IH調理器の使用も可能です。
③余ったお湯は全て出し切ってください。使い終わるたびに水気をしっかり取るのが、表面のつやを維持するポイントです。
④簡単なお手入れとして、鉄瓶が予熱であたたかいうちに表面をぽんぽんと軽く叩きパッティングする方法があります。緑茶をひたして絞った布巾や、ドリップ後のコーヒー粉のフィルターなどを使用すると、お茶やコーヒーに含まれるタンニンが鉄分と反応し、鋳鉄がしっとりとした風合いとなり経年変化をお楽しみいただけます。
【注意点】
※鉄瓶の中は手で触らないでください。
※鉄瓶は使用している間にどうしても錆びてきてしまいます。内部が赤くても、お湯が赤くなったり、匂いや味に変化がなければ使用上問題はありません。
また、不具合がございましたら、販売後時間が経っても職人にご相談いただけます。
〈初めて使用する場合〉
【慣らし】
①温水で中を軽くすすぐ。
②約8分目まで水を入れ、沸騰時の吹きこぼれを防ぐために蓋はずらすか開けたまお湯をわかす。
※このとき、硬水を使用すると湯垢づけができます
③お湯を沸かしては捨て、沸かしては捨てを3回を目安に繰り返す。火傷にご注意ください。特に本体や蓋・弦部分は高温となります。また、お湯を捨てるときははずれないように蓋を押さえてください。
④水が透明になったら完了です。
【湯垢づけ】とは
湯垢とは、水の中に含まれるカルシウム等の成分が結晶化したもののこと。硬水を沸かすことで、硬度の高い水に多く含まれるマグネシウムやカルシウムが、鉄瓶の内側に白い膜となって張り付きます。湯垢をつけることで、鉄瓶の内部は錆びにくくなります。
〈鉄瓶でおいしいコーヒーのいれかた〉
・鉄瓶に水を入れて、お湯を沸かす。
・お湯がわいたら一度カップへお湯を移し、湯冷ましする
(80~90℃がドリップで淹れる適温。コーヒー豆の種類によっても変わりますが、熱々で淹れないのがコツ。)
・鉄瓶に湯を戻し、コーヒーをいれる。
▷紅蓮堂の鉄瓶は注ぎ口が薄いため、細くお湯を注ぐことができるのでドリップにもぴったりです。
作り手 | 南部鉄瓶紅蓮堂 |
産地 | 岩手県盛岡市 |
サイズ |
重さ約1.25kg 径17cm×15.5cm×高さ17cm (ツル含む) |
素材 | 本体・蓋:鋳鉄 漆 鉉(ツル):鍛鉄、漆 |
お手入れ | *取扱説明書、伝産証紙が付属します。使用後は必ず空にして乾かしてください。サビは必ず出ますが、沸かしたお湯にサビ色や匂いが移らなければ、使用上問題ございません。 |
ご注意 |
直接火にかけて、お湯を沸かす用途にお使いください。 急須ではございませんので、お茶を煮出すと黒く変色する可能性があります。 もしサビ色や匂いがお湯に移るようになっても、ご自宅のお手入れで治る場合がございます。 不具合がございましたら、販売後時間が経っても職人にご相談いただけます。*下記の工房HPからお問い合わせくださいませ。 |
HP | https://www.glendo.net |