花巻人形工房
愛嬌のある釜猫は、花巻人形独特のフォルムです。北国の厳冬期の明け方の、軒先から氷柱が垂れるような寒さを乗り切るために、微かに温かい竃(かまど)の灰で暖を取ろうと入り込み、朝ご飯の匂いにつられて出てきた姿が、思い浮かびます。
花巻人形は岩手県花巻市の郷土人形で、江戸時代から続く東北三大土人形(堤・花巻・相良)の一つです。桜の花びら模様と赤・藍・緑色などが特徴で、底には和紙が貼ってあり小石や砂を入れてあります。軽く振るとカシャカシャと音がして、子供の玩具だったことがわかります。他の産地に比べ、鮮やかな色彩で大きく躍動感があり、笑っている人形が多く見られます。
郷土人形(土人形)とは、職人が表型と裏型を合わせて一つ一つ型抜きで作る素朴な人形であるという信念のもと、江戸期の人形に残された痕跡や資料を参考にしながら、昔の職人の材料選択や型取り、筆遣いなどの創意工夫をひたすら読み取り続ける花巻人形工房。素焼後に天然の胡粉や顔料・染料などを使って絵付された、その風合いに、郷土人形の愛好家たちは郷愁を見つけ出します。
長く楽しんでいただくために
花巻人形工房では、昔ながらの原材料(胡粉や岩絵具・染料・膠など)と技法(型合わせ)にこだわって復元しているため、絵付が紫外線や空調設備などの影響を受け易く、繊細な人形です。お買い上げいただいた花巻人形を長く楽しんでいただくためには、直射日光や蛍光灯などの強い光線を避けていただき、エアコンなどの風が当たらない場所に飾っていただく必要があります。
また、時節の飾り物ですので、飾る期間を1か月程度にとどめ、人形の入れ替えをし、収納するときには、布に包んで箱に入れるなどして保管することをお勧めいたします。
昔の生活環境は、部屋の空気の出入りが多く、炊事の際に出る水蒸気などで湿度が保たれていたと思われますが、現在の生活空間は高密度に保たれて、エアコンなどによって空気の乾燥が大きく、岩絵具や膠などを使っている絵付にひび割れや剥離をもたらす恐れがあります。これらのことにご配慮いただき、末長く花巻人形をお楽しみくださるようお願いいたします。
作り手 | 花巻人形工房 |
産地 | 岩手県花巻市 |
サイズ | 縦6cm×横11cm×高さ9cm |
素材 | 陶器・土人形(素焼の上に胡粉塗りののち顔料で絵付) |
お手入れ |
本文の「長く楽しんでいただくために」をご参照ください。 |
ご注意 |
※一つ一つ手作りで絵付していますので模様や表情、大きさに個体差があります。 ※とても繊細な商品のため環境により変化の度合いが異なります。 |
HP | https://hanamaki-ningyo.stores.jp/ |