【MAMUANG×TOHOKU製作秘話】飾りコマ

山形県は「デザイン振興指針」というものを定めている面白い県で、県の工業技術センターが企業へのデザイン支援をしたり、デザインコンペを開催しています。そんな山形県の取り組みのひとつが、企業とデザイナーをマッチングさせるプロジェクト“デザ縁”。飾っても遊んでも楽しめる「飾りコマ」は、そんなデザ縁で結ばれて誕生したアイテムです。



デザインは山形県の株式会社コロン。製作を百年以上続く木地職人の三代目・蔦 文男さんらが手がけています。

蔦さんの工房の様子

マムアンちゃんのおもちゃがあったらきっと楽しいに違いないし、飾りコマは小さくてお土産にもぴったり。ぜひ実現させたいと思いコロンさんにご連絡差し上げたのでした。

引き受けていただけるかしら……と不安になる間もなく「いつでもご相談賜ります!」とのお返事。そして企画の趣旨をお伝えして間もなく、アイデアスケッチと試作品の資料が送られてきました。

カネイリとコロンさんはこれまでにもオリジナルの飾りコマを製作したことがあります。仙台で販売している伊達政宗公をモチーフにした飾りコマは、小さい中にも三日月兜と眼帯がしっかり再現された人気商品。

しかし今回は「マムアンちゃん」という二次元のキャラクターが元になっています。わずか3~4cmの大きさ、しかも平面の上で表現されることの多いマムアンちゃんを、立体にどうやって落とし込んでくださったのか。ドキドキしながらファイルを開きました。そのアイデアスケッチがこちらです。


目の形やお顔のパーツのバランス、フェイスライン…マムアンちゃんがどうしてかわいいと感じるのかを、ていねいにひも解いてくださった様子がよくわかります。

そして、一緒に送られてきた試作の様子がこちらです。もうマムアンちゃんだ!とさっそくテンションが上がるカネイリ一同。

素の木地にアタリをつけたもの

髪の色だけで印象がだいぶ違うことがわかります。

マムアンちゃんといえばの黄色のワンピース。色味もすでにばっちりです。


この試作品を元に、タムくんに意見を伺います。タムくんからのお返事は、大きく分けて以下の二つでした。

・身体は髪の毛を表現せずに黄色のみで良いのではないか
・あまり身長が大きく見えないようにしたい

 前者については絵付けを変更するのみなので、すぐに実現できそう。後者についてはイメージを動画にもしてくださいました。こんな感じに、背を小さく。

タムくんからの動画切り抜き。首をしずめるというか、土台を小さくするというか…


たしかにこの方が、私たちが見慣れているマムアンちゃんの印象にぐっと近づきます。ということで、「背を小さくする方法」をコロンさんと職人さんで検討していただきます。いろいろな選択肢がありますが、今回目指すコマは気軽に遊んでもらえるものであってほしいと思っています。コストを抑えてなるべくシンプルに実現する方法を考えていただきました。


カネイリからも、既存のアイテムの組み合わせでいけないかな?と提案してみたり。

職人さん試作第一弾。イメージに近づいていきます。

そして、検討すること数週間。コロンさんが完成版のサンプルをお店に届けてくださいました!


ほぼほぼタムくんのイメージに近い仕上がりになりました!お口の種類もにっこりU型とびっくりO型の二種類で確定。ここからさらにタムくんと相談を重ね、O型のお口の中はピンクに塗っていただくことに。

お口の色確認の様子

ピンクが入るだけでかわいさが倍増します。タムくんからもOKをいただき、晴れて量産体制に入っていただくことができました。

製作期間のある日、コロンさんから送られてきた画像。栗饅頭のようなマムアンちゃんたちのかわいさに崩れ落ちるカネイリ一同

完成した飾りコマがこちら! U型とO型を並べて飾るのもオススメです。

飾りコマは、ぜひお手元に届いたら飾るだけではなく実際に回して遊んでみてください。「逆立ちコマ」なので、うまく回せると頭と持ち手がひっくり返ります。コツは、やや強めに回すこと。タムくんが手がけるアニメーションのマムアンちゃんを見ているときのような、楽しい気持ちになりますよ。

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