【MAMUANG×TOHOKU製作秘話】アートカード

マムアンちゃんの魅力のひとつに、「自分のことをよく知っている」というところがあるのではないでしょうか。自分が好きなもの、こと、人。自分ができること、苦手なこと。自分の機嫌をとる方法。彼女はちゃんと知っていて、もちろんうまくいくときばかりではないけれど、それも含めて自分のことを大切にできるところ。そんなところが、私たちを励ましてくれます。
宮城県北部の南三陸町に位置するNOZOMI PAPER Factoryさんの仕事のあり方は、そんなマムアンちゃんの魅力と通じるところがあると感じています。障がいのある方の生活介護事業所である「のぞみ福祉作業所」が「NOZOMI PAPER Factory」としての活動を開始したのは2015年の春。デザイナーユニットHUMORABO(ユーモラボ)との出会いがきっかけでした。NOZOMI PAPER Factoryで作られる「NOZOMI PAPERⓇ」は牛乳パックや新聞紙を原料とした手漉きの再生紙。しっかりとした厚みと一枚一枚異なる縁の“耳”、あたたかみのある表面の質感が魅力的です。
photo by AMI HARITA
多様なタイプの人が集まって働く福祉作業所では、仕事に合わせて人を選ぶのではなく、人に合わせて仕事をつくる必要があります。牛乳パックの分解、原料の溶解、紙漉き、乾燥、選別、活版印刷、梱包。ざっくりとこのような工程を経て完成するNOZOMI PAPERⓇですが、NOZOMI PAPER Factoryではこれらを分業。それぞれが得意なことを担当し、無理なく、楽しく仕事をする。福祉の世界では当たり前のことなのかもしれませんが、いきいきと働くメンバーのみなさんを観ていると、みんながそんなふうに働くことを目指していくのが良いのではないかなと思えるのです。
マムアンちゃんという存在が持つメッセージを、NOZOMI PAPERⓇという物語にのせて伝えることができたら。そんな思いからNOZOMI PAPER Factoryでのマムアンちゃんのカードづくりは始まりました。
NOZOMI PAPER Factoryの様子。施設内にはメンバーが手がけた作品が飾られている。/photo by AMI HARITA
ほとんどの工程が手作業で行われる。東北スタンダードマーケットとのコラボ品は東北の民芸柄。/photo by AMI HARITA
どんな柄のカードにするかをタムくんと相談します。1枚目は近年のアートワークの中から「Room」というイラストに決定。

そして、2枚目はタムくんにマムアンちゃんのお顔を描き下ろしていただきました!
筆タッチのマムアンちゃんのお顔。これをパターン化して配置するのですが、タムくん自ら配置のバランス調整もしてくださいました。

イラストが決定したら、次はインクの色を決めます。タムくんの希望は「シンプルな色」。デザインを担当するHUMORABOさんとも相談し、シンプルな中でも特別感のあるシルバーインクに決定。販売する際のパッケージをHUMORABOさんに整えていただきます。帯の色が異なるのはNOZOMI PAPER Factoryさんで識別しやすいようにという工夫もありますが、やわらかい色合いがほっとする印象です。

細かな調整をタムくんとHUMORABOさんの間で重ね、ついに校了!
NOZOMI PAPER Factoryさんでの製作に移っていただきます。
版からしてかわいいマムアンちゃん。ひとつひとつにインクをのせ、くるくると印刷していきます。
乾かしている様子。
そして完成したのが「MAMUANG×TOHOKU アートカード」です。マムアンちゃんとNOZOMI PAPERⓇ、ぜったいに相性が良いと確信していましたが出来上がりは想像以上。ポストカードサイズなので郵送もできます。お部屋に飾る際は適度に光の入るところがオススメ。NOZOMI PAPERⓇのぬくもりある質感と、活版印刷の凹凸で生まれる陰影を味わうことができますよ。
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